工場の作業効率改善には「室温管理」が重要
- お役立ちコラム

~遮熱材がもたらす科学的効果と施工技術~
1. 導入
工場や倉庫の生産性を左右する要因は数多くありますが、その中でも見落とされがちなのが「室温管理」です。夏場は屋根や壁から侵入する輻射熱、冬場は建物から逃げる暖気。この問題を放置すれば、従業員の集中力や健康を損ない、機械や製品にまで悪影響を及ぼします。私たち北日本外装が現場で肌で感じるのは、まさに「室内温度が経営を左右する」という現実です。
2. 温度管理の必要性(研究データ)
- 日本建築学会の調査:「25℃から1℃上がるごとに作業効率が約2%低下」
- コーネル大学の研究:室温を20〜25℃に整えたところ、タイピングミスが44%減少、作業量は150%増加
- 労働安全衛生法:作業場の室温は18〜28℃が努力目標、半年ごとの測定義務あり
つまり、温度管理は単なる快適さの問題ではなく、生産効率・法令順守・安全管理に直結する要素だといえます。
3. 遮熱材と断熱材の違い(技術解説)
熱移動は「伝導・対流・輻射」の3要素で起こります。
- 断熱材(グラスウール・ウレタン等):熱伝導を遅らせる
- 遮熱材(アルミ蒸着シート等):輻射熱を反射する
両者は役割が異なり、組み合わせることで最大の効果を発揮します。
項目 | 遮熱材 | 断熱材 | 併用 |
主な作用 | 輻射熱を反射 | 熱伝導を遅らせる | 輻射+伝導を制御 |
効果 | 夏場◎ 冬場○ | 夏場△ 冬場◎ | 夏場◎ 冬場◎ |
導入コスト | 中 | 中~高 | 高 |
メンテナンス | 施工部位による | 劣化あり | 中 |
工場への適性 | 大規模工場・倉庫向き | 住宅・事務所向き | 高性能要求環境に最適 |
4. 遮熱材の施工方法と仕組み
4-1. 屋根・壁への施工(スカイ工法)
アルミ蒸着シートを屋根裏・外壁内に施工し、外部からの輻射熱を最大97%反射。夏は熱を侵入させず、冬は室内の熱を保持します。
4-2. 機械への施工(フィット工法)
機械の発熱が室温を押し上げる場合は、機械全体を遮熱シートで覆い、放熱を屋外に逃がす仕組み。局所的な高温エリアを抑え、作業場全体の温度を安定化させます。
4-3. 施工上の注意点
- 気密処理を徹底しないと性能が低下
- 通気層の設計で結露リスクを回避
- 耐久性の高い多層ラミネートタイプの製品を選定
5. 北日本外装の施工事例
【ケース1:東北地方・豪雪地帯の工場屋根】
- 施工前:夏場は室温が35℃を超え、従業員から「午後は頭がぼーっとする」との声
- 施工後:遮熱シートを屋根裏全面に施工した結果、平均室温が 約6℃低下
- 効果:エアコン稼働時間が約30%削減、年間電気代で数百万円規模の削減
- 従業員の声:「午後の疲労感がなくなり、作業がはかどる」「冬場の足元の冷えも緩和された」
【ケース2:大型機械を多く設置する工場】
- 課題:機械の発熱で局所的に50℃以上のエリアが発生
- 対策:発熱機械をフィット工法で遮熱施工
- 効果:機械周辺雰囲気温度が 最大20℃低下、製品不良率も顕著に改善。
6. 補助金活用の可能性
工場の省エネ・環境改善を目的とした設備投資には、国や自治体の補助金制度が利用できます。
- 「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」
- 各自治体の「省エネ設備導入補助金」
当社の顧客でも、補助金を活用して施工費の3分の1を賄えたケースがあります。
7. まとめ
工場の作業効率を高めるうえで「室温管理」は欠かせません。そして、その解決策として遮熱材は非常に有効です。
北日本外装として現場に立って実感するのは、遮熱材は単なる“快適さ”のためではなく、
- 従業員の健康と集中力を守る
- 機械・製品の品質を維持する
- 空調効率を高め省エネ・コスト削減につなげる
- 建物資産価値を高める
といった 経営そのものを支える投資 であるということです。
もし「空調が効かない」「夏場の暑さで作業効率が落ちる」「機械の熱で困っている」といった課題があれば、ぜひ遮熱材の導入をご検討ください。当社はこれまでの豊富な施工実績をもとに、現場に最適な工法を提案し、長期的に安定した快適な環境を実現します。